夢の中の電話
電話が2回鳴り受話器をとった。
「こんにちは。〇〇です。」
電波が途切れ途切れの中、友人の声がした。
咄嗟にあの世からの電話だと気が付いて、心が波立ったけど、今にも途切れてしまいそうだったので、何を話すのか聞き漏らすまいと受話器に耳を押し付けて聞いた。
なのに目が覚めるとその続きが全く思い出せない。
指の隙間から砂がサラサラこぼれ落ちるように記憶が跡形もなくなっていた。
夢の中ではあったけど、確かに懐かしい友人の声だった。話の続きを何も思い出せないなんて歯痒くてならない。
夢とは言え、電波がかすれたあの感じはホントにあの世からの電話だったんだろうと感じている。
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